研究室ホームページの「学位論文」を更新しました。助成団体から優秀成果に選ばれたり、学会でポスター賞をとったりと、修士の2年間しかいない研究室でよくこれだけのことができると、改めて驚嘆しました。タイトルをご覧になると分かるように、陸水研では研究室で積み上げてきたものの延長という研究はほとんどありません。指導教員は、安定同位体比には多少うるさいですが、それ以外は極めてアバウトなアドバイスしかしません。例えばM2のK君には、「ゴルゴ13に白黒写真のネガを特殊な現像をしたら飛行機が映ってたって話があったから、水の下の水草見えるかもよ」とアドバイス(?)したのですが、本当に戦後の白黒写真から水草の分布を復元してしまいました。
指導教員が気にしているのはひとつしかなくて、世界で誰もやっていないテーマ、かつ、つまらないからやらていないのではなくて、重要だけど気づかれていないとか、切り口が見えてないとか、そういうテーマを選ぶこと、そしてそのテーマを自然科学の基本的な知見と合理的な考え方から問題を解決することです。企業でも官公庁でも、あるいは家庭を守るにも、その経験は課題解決に直結すると思うからです。