義務教育を濫用するアサザ基金の詐欺行為

霞ヶ浦では昭和55年以降、COD(赤線)で示される水質は悪化していません。下水道(緑の線)が普及することで、人口(青線)が増えても湖に流入する負荷が増えていない為です。

しかし今年度、全国100万人の中学生に配られる地図帳には、アサザには水質浄化機能があって、霞ヶ浦流域の子ども達がそれを植えたから水質が悪化していないという、デタラメな内容が示されています。

ビオトープ設置校の図は、茨城県の資料ではありません。アサザ基金のデータがそのまま使われています。

アサザ基金のホームページで2011年10月までフリーにダウンロードできた資料から)

そしてアサザ基金は2011年6月10日、まだ印刷にもなっていないこの地図帳について、「アサザプロジェクトが流域全域まで及んでいることがよく分かる地図となっております」との宣伝記事を掲載しました(3月1日付記事)。
一方でアサザ基金保全関係のメーリングリストに、「東京大学に自浄作用はないのか(アサザ基金)」とのタイトルで、下記を投稿しました([wildlife 13043] December 17, 2010 5:48 PM)。
「本来専門家・研究者を名乗る者(しかも大学の教授)が、批判する相手の主張を正確に把握しようとせずに、相手が言ってもいないこと(例、アサザで 水質浄化をしようとしている等)を言っていると言い張り、批判を繰り返すこと自体が問題だと思います。そのような言動をネット上で繰り返し、アサザ基金がそのようなことを言われているという噂を流布させることが、目的ではないでしょうか。あなたは、今回の見解で山室氏の中傷文の流布に協力したと思います。」

アサザ基金は2000年頃、アサザは水質浄化機能があると盛んに宣伝していました(2010年8月12日付記事に当時の新聞記事を紹介しました)。私がそれは科学的に間違っているとブログで指摘したところ、上記のように「アサザ基金アサザに水質浄化機能があるなどと主張していない」と、あたかも私が嘘を吹聴しているようにホームページ(証拠として2010年以降は定期的にアーカイブを保存しています)やメーリスで主張するようになりました。
アサザ基金は「アサザに水質浄化機能があるとは主張していない」と表明しながら、義務教育の副読本には「水質浄化に効果があるとされるアサザ」と明記し、それを支持するようなグラフを掲載させているのです。これは確信犯的な詐欺行為ではないでしょうか。このような団体に、子ども達の環境教育や自然再生事業を担当させてはならないと思います。

(追伸)
10年くらい前、アサザ基金が「アサザを植えれば水質浄化する」と盛んに宣伝していた頃に子供達に配っていたチラシは下記です。
子ども向けチラし.pdf 直