今日のASLOでは自分のセッションの後、Lake Biwa Story: Past, present and futureというセッションで沈水植物に関わる講演を聞きました。
沈水植物が復活した琵琶湖では様々なトラブルが生じていることをこのブログでも紹介してきましたが、問題はさらに深刻になっていました。
沈水植物が密生するところでは流れが停滞して、アオコが発生していました。これは1930年代の、沈水植物が繁茂していた頃の霞ヶ浦でアオコが発生していたのと同じ状況なのかもしれません。
さらに深刻なのは、Potamogeton maachianusが多いところではその量に比例して貧酸素化することです。対策としては、ドレッジだと根こそぎなくなってしまうので、刈り取りをしているとのことでした。
「里湖モク採り物語」に書いたように、かつては沈水植物を肥料用に採集していました。琵琶湖での刈り取りに当たることが、除草剤を使用するまでは、なりわいとして行われていたのです。
霞ヶ浦にアサザを植えれば生態系が復活するとか、沈水植物が再生するとか吹聴している団体があります。あまりに無知だからこそ、デタラメを平気で書いているのでしょう(こういう団体に授業をさせる学校や寄付をする企業がまだあるのがとても不思議です)。沈水植物が復活することが本当に望ましいのか、モク採りが成立しない今の社会状況では、そこから問い直さねばならないのに。