除草剤グリホサートについて調べていたら、大学近くの「こんぶくろ池」で使用されていたことが分かりました。「対象地において再生させる植生はエノキ、ムクノキからなる湿地林であり、外来種であるニセアカシアは適当でないと考えられたため。」と使用理由が書かれていました。「自然博物公園湿地林再生」を目的とした事業でした。
同様の理由で竹も除去対象していたのですが、タケノコを摘み取るなど、薬剤は使っていませんでした。
ニセアカシアの除去手法としてのグリホサート使用は定番になっているようで、北海道の樹林化河川や日本海側のクロマツ林でも使用されていました。
アメリカ環境保護局によると、グリホサートの土壌中半減期は60日です。こんぶくろ池では土壌に直接まくのではなく、切り株に塗布したとありました。しかし塗布したグリコサートが雨に打たれて土壌に移行し、感受性の高い草本に影響を与えたかもしれません。また、たとえ除草剤の主成分について安全が確認されている商品であっても、副次的に用いられている界面活性剤などによって水生生物に悪影響を及ぼすことがあります。
「こんぶくろ池」は周辺住民の方が毎日のように見回っているので、除草剤を使わず、切り株から芽がでたら摘み取っていただくという方法でも、ニセアカシアを根絶できた可能性があります。
生物はつながって生態系を構成しています。「湿地林再生」が単にエノキやムクノキが植わっていればよいというのではなく、林を構成する生物全体からなる生態系再生を企図していたのであれば、今後は極力、除草剤や殺虫剤は使わない再生法を検討してほしいと思います。