7月11日にご紹介した「生体と電磁波」から、特に学生さんに注意してほしいことをメモ書きしておきます。
・携帯電話
p34:欧米各社の取り扱い説明書には下記のように書かれているそうです。
Apple社のiPhone:耳、シャツやズボンのポケットなどから1.5cm以上離すこと。
ノキア社のNokia1100:1.5cm以上身体から離すこと。
Motorola社のV195 GSM:本体とアンテナを2.5cm以上身体から離すこと。
Black Berry8300:使用する際は2.4cm以上身体から離すこと。
p141-142:政府による規制・勧告
フランス:イヤホンの使用によって携帯電話を頭部に密着させるのを防ぐように勧告し、12歳以下の小児向けの広告の禁止、6歳以下への携帯電話の販売の禁止を立法化する。また、電話会社に対して、小児用に文字データの通信しか行えない携帯電話の開発を求めている。
フィンランド:2009年に小児の携帯電話使用に関して、文字情報の通信に限ること、音声通信ではイヤホンマイクの使用、両親に対する使用回数と通話時間の制限の指導、などがある。
その他、イギリス・ドイツ・カナダ・ロシアなどで、青少年や妊婦の使用制限が勧告されています。
p125(本文の記載そのまま)
電話中の脳は、一般公衆の許容値の5000〜10,000倍の高い放射線環境にさらされていることになる。この5.5〜11mSv毎時の放射線環境とは、事故を起こした福島原子力発電所の原子炉建屋の環境に匹敵するもので、自らの頭を建屋に入れているのと等しいことになる。お腹の上にバッグに入れた携帯電話を置いた妊婦は、胎児を同じ環境に置いていることを理解してほしい。
→ イアホンマイクを使うなど、密着させない工夫はあります。
・家電など
p51
電子レンジ、電気炊飯器、トースター、IH調理器などの食品を加熱する家電製品を使うときは、いつもより身体を20cm以上離して使う。冷蔵庫、洗濯機、掃除機など、大型のモーターを使う家電製品は、使用中は30cm離れる。
p46
家電製品でドライヤーのように大電力を頭のそばで使う機器は、強い磁界に注意を要する。
→ 冷蔵庫や電子レンジは流しの正面にならないように配置するなど工夫しましょう。
・出張
p47-48
新幹線:最大で26μT、平均で2〜10μT程度であるが、都市内の一般の電車が加速と減速のときにだけ磁界を発生する運用方法と異なり、新幹線は定速走行中も空気抵抗に抗する電力が必要なため、常時磁界にさらされる。
飛行機 最大で、14.1μTであるが、平均は0.03〜3μT程度。
→ これは実感してます。飛行機では新幹線のような不快感は感じません。新幹線でも座席によって電磁波がだいぶ違います(10月11日付記事参照)
・家を建てるなら
p81
220〜380kVの高圧線の50m以内に住んでいる人は、600m以遠に住んでいる人の1.24倍アルツハイマー病になりやすい。
→ 10年以上前になりますが、産総研で雇用していた非常勤さんが土地を購入されるというので、電磁波には注意した方がよいと測定器をお貸ししました。一部の物件はかなり電磁波が高かったそうです。
現代において電磁波無しの環境は考えられませんし、影響が大きい世代とそうでない世代とでは対策が異なります。この本には電磁波の物理的な解説もありますので、基本を理解して、自分と家族に最も適した自衛策をとるのがよいと思います。
(追伸)
子育てしながら、私が子供の頃は問題とされるのは二子以降が多かったのに、子供達の世代では長男・長女が多いことに気づきました。うちの場合もアレルギーが強いのは最初の子供だったので、もしやこれは水俣病のように、最初の子供に母体に蓄積した化学物質が移行するからではないかと思っていました。本書に、私の仮説があり得ないことではないと確信する記載がありました。
p169 臍帯を調べると、第一子、第二子とだんだん環境ホルモンが減ってくることがわかります。母親は環境ホルモンや残留農薬を子どもに投げ込んでいることになります。
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