霞ヶ浦流入河川堆積物の放射性セシウム濃度を決める主要因は2つ

霞ヶ浦に汽水を導入したら水産業が復活するだけでなく放射性セシウム濃度が減る(もしくは汽水をいれないとますます蓄積する)という趣旨の、科学的にあり得ないことを主張する某団体があり、水産業については山のようなデータで彼らのペテンぶりを示すことができます。しかし放射性セシウムの方は形態によって扱いが違うので、しばらく様子を見ていました。
結果、霞ヶ浦では水からは検出されず、問題は堆積物の移動であることを確信しました。こうなれば地学の話です。それでこの夏の実習の課題としてOBのT君が中心になって学生さん達とサンプリング。その分析結果から予想通り、堆積学的には当たり前の、コロンブスの卵的発見がありました(1月10日記事)。
あまりにきれいな結果だったので、これなら環境省のモニタリングデータを使っても同じ内容を導き出せるかホームページにあるデータを使って計算したら、その通りになりました。
某団体にはかつて科学的研究をしていた方が関わっていて、私が使ったのと同じ環境省のデータを使って、その団体の主張に沿った説を展開していました。その方は生物系の出身なので、堆積学の基礎である粒子の移動について、高校地学などで学んでいなかったのでしょう。
環境問題に関わるからには、土台となる地学の基礎を知っていないとあとで恥をかくという例は、アサザ植栽問題だけではないようです。