2月22日記事でご紹介した「茨木市版・特定外来生物」に私が書いた文章、発行者様のご厚意で許可をいただいたので、公開いたします。
浮葉植物だけでなく、沈水植物も、生えっぱなしだと有機物がたまります。琵琶湖岸のある集落では、絶滅危惧IA類のハリヨが集落内の堀に住んでいます。そこではバイカモなど、美しい花が咲く水草でも夏になると堀の泥ごと刈り取ってしまいます(リンクした番組で紹介されています)。そうしないと有機物がたまり、酸欠状態になってしまうからです。
日本では人が持続的に暮らすために行ってきたことが、結果として様々な動植物を残してきました。それが里山(里湖)的営みでした。「アサザが減ったから植えましょう、それが生態系の復活につながります」と称するアサザ基金の事業は、宣伝内容とは裏腹に、生態系や人との関わりに関する理解が欠如した事業でした。この文章が、現場で地道に水界生態系を守ろうとしている方々の困惑を少しでも減らすことにつながればと思います。
茨木市版・特定外来生物2013.pdf
アサザ植栽を強要されて困っている方がおられましたら、遠慮無くご相談ください。