今日の非常識は明日の常識

先日、夕食をとりながら何気なく見ていたテレビで「今日の非常識は明日の常識」との、インスタントラーメンを発明した安藤百福氏の言葉が紹介されていました。カップラーメンがマスコミから批判されたときの言葉だそうです。
本質は同じなのですが、理系の研究では逆の表現になりそうです。つまり「今日の常識(定説)は明日の非常識」天動説から地動説とかiPS細胞など、ニュアンスとしては非常識が常識となったというよりは、常識だったものが非常識になった、という感じが多そうです。
水環境分野で、いつのまにか「常識」となっていることがあります。ヨシやアサザなどの水草を「植栽することによって自然が再生する」という観念です。これは根本的に誤っていると思います。水草というものは、環境が好適であれば植栽などしなくても入ってきます。既に野生絶滅しているなどの理由がないのに、何度も植栽を必要とする状況では、いつまでたっても「再生」するとした状態にはなりません。
同じ水環境でも海では、例えば海草を植えることで藻場を造成することに、多くの専門家が疑問を呈しています。しかし水草については専門と称している生態学者が植栽に疑念を持っていないようです。海草を専門とする生態学者の方と、どうしてなのだろうと常々話しているところです。