7年前に博士論文の資格審査で学生さんが「大気からの硝酸負荷が秩父山地の渓流水の硝酸濃度を上げている」と発表したとき、一部の教員以外は「そんな馬鹿な」「水質形成の基礎を勉強しなさい」と散々でした。それくらい水が専門ではない研究者には大気窒素負荷という概念は聞き慣れないことだったのですが、正リン酸についても負荷が大きいと2000年代半ばから指摘されていたことに、レビューしてやっと気づきました。私の指導教員は窒素循環が専門だったので、関心を広く持つように気をつけていたつもりでも、窒素だけに気をとられていたようです。大気からの負荷が重要かもと気づいた7年前の時点で、両方レビューしておくべきでした。
ただし貧栄養でない水域にも影響しているというエビデンスは、今のところ文献で探せてません。無ければ結構面白い論文が書けそうです。