権威ある雑誌に掲載されているから正しいとは限らない

そもそも自然科学は既報と画するオリジナルな発見・考え方が蓄積されることで発展しているのですから、表題は当然のことなのですが、2月24日発行のNature誌で曝露されたのは、査読システムの信頼を覆す衝撃的な内容でした。「単語の列をランダムに結びつけ、その分野の経験がなく専門でもない人には論理的に見えるような偽論文が権威ある雑誌に120本も掲載されていた」というものです。
http://www.nature.com/news/publishers-withdraw-more-than-120-gibberish-papers-1.14763
この記事を要約した日本語のサイトがありました。
http://www.editage.jp/insights/%E6%9F%BB%E8%AA%AD%E3%81%AF%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AB%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%8B%EF%BC%9F120%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%92%A4%E5%9B%9E%E8%AB%96%E6%96%87%E3%81%AE%E4%BA%8B%E4%BE%8B
厄介なのは、明らかにおかしい論文でも、査読を通ったものの取り下げは多くの学術誌において、著者自らが取り下げを申し出る場合に限られていることです。
環境に関する論文は、時に政治的に利用されることがあります。よほどひどい時は批判する論文を書きますが、研究者としてはもう少し建設的なことに時間を使いたいところです。