写真は斐伊川下流、神立橋付近の河道の様子です。私くらいの世代だと、小学校の社会や中学校の地理の教科書に「斐伊川は川底よりも周辺の方が低い、天井川です。洪水の度に大量の砂が流れて川底を高くしています。」みたいな記載と砂だけが見える写真を見た方も多いと思います。今ではご覧のように、中州までヨシでおおわれています。そのむこうには樹林化した小山が見えます。
8年ほど前に、上流の尾原ダムの工事現場を見に行った時、「あれ?斐伊川に木や草が生えている?」と奇妙に思いました。1983〜85年の夏は卒論・修論で毎日、中流の三刀屋から宍道湖まで車で通っていました。道中、斐伊川はずっと砂しかありませんでした。どうして、まだ尾原ダムが運用していないうちから木があるのだろうと思いました。
昨日、この神立橋から水源のある船通山まで視察しましたが、ここはジャングルかと思うような、私がこれまでに見てきた樹林化の中でも最悪な状態になっていました。3年前に毎月上流から下流まで調査していたKさんによると、3年前と比較しても、木の密度や高さが明らかに増加しているとのことです。
ここまでひどいと通水機能だけでなく、ヨシや葉、そのデトリタスの形で、相当の有機物が斐伊川から宍道湖に供給されている可能性についても検討する必要がありそうです。