霞ヶ浦で二枚貝調査

今日は地元NPO霞ヶ浦大山付近で二枚貝調査を行い、下記の鋤簾を延々引いてました。

あいにく生貝は取れませんでしたが、明らかに異地性の海産二枚貝の白化した殻以外に、シジミを含むフレッシュな二枚貝の殻が取れました。シジミ流入河川には住んでいないと思いますので(要、確認)、霞ヶ浦にごく最近までシジミがいたことを示すのではないかと思います。

気になったのは、岸から300mくらい離れると砂質でこういったフレッシュな貝殻が取れたのですが、岸側は沖合より泥っぽくて貝殻も取れなかったことです。その原因は下の写真のように、ヨシが植栽されているからだと思います。佐鳴湖でもヨシ原の近くは泥質化していました。これまで私は消波堤とのセットで泥質化すると考えていたのですが、ヨシを植えるだけでも、それまで二枚貝がいた砂浜を泥質化してしまうようです。

河口堰ができる前の長良川では、ヨシをかき分けて流れがあるところまで来たら、シジミが取れる砂底が広がっていました。一定方向の流れによって有機物が流される河川では、ヨシ原と砂質を好む二枚貝は共存できます。しかし湖沼では水際にヨシが生えるようなところは、そもそも砂質を好む二枚貝はあまりいなかったはずです。霞ヶ浦でも佐鳴湖でも宍道湖でも、子供の頃にシジミを取っていた方は、岸にヨシなど無かったと言います(もちろんアサザもです)。

ヨシを植えることが自然を回復させることだと思うのでしたら結構ですが、「昔に戻したい」というのでしたら「昔はヨシだった」と信じ込まず、実際どうだったかを調べるのが基本でしょう。特に、砂に住むタイプの二枚貝を昔のように増やしたいのでしたら、ヨシ植栽は絶対にやってはいけないことだと思います。一部の湖沼では、沈水植物を増やすために消波堤を造ると提案されているようですが、これも二枚貝にとっては致死的な工事になると思います。