諏訪湖の貧酸素化とヒシ

諏訪湖は近年、貧酸素化が進んでいるそうです。本当にそうなのか、自分でデータを解析するまでは信じない性格なので、県の方から生データを送っていただきました。
確かに、1993年以前の20年と以降の20年と比べると、後者は前者より頻繁に、底層溶存酸素濃度が3mg/l未満になっていました。同時に、後者の方がわずかに水温が高くなっているようでした。一方で表層水温と底層水温の差は前者と後者で変わらないように見えました。ということは鉛直混合が減少したことが原因ではないようです。
ここで注目したのは、9月にヒシが枯れ始めることです。9月にヒシが枯れて湖底に供給され、それが分解されるときに貧酸素化が生じるという仮説を考えました。これが荒唐無稽なのかどうか確認するために、県担当者の方に、ヒシが枯れる時期は湖岸に打ち上げられるのか、湖底に堆積するのか電話で尋ねました。多少は打ち上げられるが大部分は湖内にとどまっているようだ、とのことでした。
可能性がありそうだったので、ヒシと分解、酸素、二酸化炭素などのキーワードで文献検索したら、結構でてきました。知り合いのイタリア人の生態学者の論文もでてきて、彼はこんなことしてたのね!と驚きました。
諏訪湖に行くまでに、それらの論文を読んで使えるデータを使って解析すること、諏訪湖のヒシの繁茂状況などと比較することなどを進める予定です。また漁業関係ではワカサギの漁獲量が近年顕著に減っていて、これは貧酸素とは無関係と思われますので、他湖沼のワカサギと比較しながら検討したいと思います。
来週までの宿題ですが、ちょっと間に合わないかも。