ネオニコチノイド農薬を水田にまくと、ユスリカが減って緑藻が増える?

知人が「『クワガタムシが語る生物多様性』という本に、ネオニコチノイド農薬でユスリカがいなくなると書いてあったと思う。」と教えてくれました。さっそく取り寄せて確認したところ、下記の説明がありました。
水田にイミダクロプリドというネオニコチノイド系殺虫剤を撒いた区画とまかなかった区画を作りました。すると、撒かなかった区画は水が濁り、まかなかったところは水が透明でした。撒いたところはユスリカやミジンコが非常に少なかったことから、撒いたところはこれらの動物が泥を攪拌して濁らせたのだと著者は推定しました。
おもしろかったのは、殺虫剤をまいて透明になった水田では、やがて緑藻が生えてきて底をおおったため、除草剤をまかなかったのに水田雑草(水草です)が生えてこなかったことです。宍道湖をはじめ、近頃いたるところでアオミドロなどの緑藻がべったりついているのは、もしかしたら殺虫剤によって補食者が減っているからかもしれないと思いました。
日本の平野部の湖沼の周辺や集水域は、水田が広がっている場合が多いです。水田にまかれるものとの湖沼生態系との関係については、もっと注意を払われるべきだと思われます。