いじめ問題に取り組む基本姿勢

NPO法人ジェントルハートプロジェクトの「ジェントルハート通信」No.46春号で、「いじめ問題に取り組む基本姿勢10カ条」が紹介されていました。出典は「子どもとまなぶいじめ・暴力克服プログラム 想像力・共感力・コミュニケーション力を育てるワーク」(武田さち子著/合同出版)です。「いじめ」を教員による学生へのハラスメント(以下、ハラスメント)、「子ども」を学生、「大人達」を教員に変えて一部をご紹介します。大学の学生も児童・生徒と同様、弱い立場にあります。より強い立場にある教員が、教員による学生に対するアカハラに気づいた時にどうすべきか、参考になると思います。

ハラスメントは被害者の身になって考える
 教員はよく「公平な立場で」と言います。しかしハラスメントに関して公平な立場というのは、傍観者になりかねません。みなが被害者の立場に立てば、ハラスメントはなくせます。

ハラスメントは教員が知ってからの方がむしろ危ない
 いろいろな事件を調べてみると、学生は教員にハラスメントを打ち明けていたことがわかりました。しかし残念ながらその結果、かえって追いつめられたりもしているのです。ハラスメントを知った教員が見て見ぬふりをしたり、いい加減な対応をすれば、ハラスメントの加害者は自分の行為が認められたと勘違いします。あるいは、教員が知っても大したことはないと高をくくって、ますますエスカレートします。一方、学生は、教員に言っても無駄だと絶望してしまいます。

ハラスメントは被害者の心と身体を深く傷つけ、時には命さえ奪う、重大な人権侵害である
 ハラスメントの解決には時間と労力が必要です。しかし学生が亡くなってしまったら、生前の比ではありません。どうせなら生きている学生のためにこそ、全精力を注いでください。また、死なないまでも、人生を変えるほどの深い心の傷を残すことがあります。教員が真剣に継続して取り組むべき問題です。

追伸
昨日付けで東大教授が懲戒解雇になったようです。
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_270311_j.html
「本学教員としてあるまじき行為であり、かかる行為は決して許されるものではなく、厳正な処分をいたしました。」とあります。私も許されることではないとは思いますが、これにより人の命がどうということはまずなさそうです。一方で、学生に対する教員によるハラスメントは、場合によっては学生の自死にもつながります。このようなケースこそ、本学として積極的に事実関係の解明と再発防止に取り組んでもらいたいものです。