湖沼の自然再生目標の指標として沈水植物を使おうとする動きがあるようです(3月29日記事)。沈水植物が復活すると魚類の産卵・生育場所として機能するとの期待があるようですが、現実に沈水植物が復活した琵琶湖南湖では、沈水植物が原因で酸欠が生じ、魚類には逆効果になっています。酸欠に比較的強いミミズも、水草が発達すると減少し、水草が減ると増えます。アオコについても、沈水植物が繁茂する方がかえって発生しやすくなっていました。このような現実を踏まえて琵琶湖では南湖生態系の目標像として1930〜1950年代の状態とし、目標達成度を総合的に評価しうる指標として「二枚貝」に着目して研究を進めることにしたそうです。
宍道湖でも二枚貝ヤマトシジミにより汚濁負荷が1〜2割減少する状態を目標として、3年前から研究を開始しています。宍道湖の場合は目標状態は1980年代に当たりますが、二枚貝が生態系の指標として重要である点は共通しています。大きくて波が高く砂浜が広がる湖沼では共通して二枚貝が重要、ということでしょう。霞ヶ浦も同様だと思います。
上記、琵琶湖の状況については、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの最新のニュースとして紹介されています。
http://www.pref.shiga.lg.jp/d/biwako-kankyo/lberi/03yomu/03-01kankoubutsu/03-01-02biwakomirai/files/kenkyu.pdf