貝殻の破片さえ無かった諏訪湖

4日は諏訪湖漁協さんにご協力いただいて、諏訪湖で採泥してきました。下の図は斎藤他(1992)による1991年の諏訪湖表層堆積物の粒径分布図に今回の調査地点を重ねたものです。かつて砂だったところを中心に調べたところ、一部は泥質化したり、砂質であってもヨシゴミなど植物遺骸に覆われていたところがありました。しかしとても酸化的で、砂から粗砂の粒径の地点でも、地点1以外は貝殻の破片さえありませんでした。

かつて貝がたくさんいた湖の砂質堆積物の地点で、今では破片さえ残っていない湖沼を、これまでに2つ見ています。ひとつは手賀沼ですが、ここは埋め立てられた割合いがあまりに大きいことから、いたしかたないと思っています。次が霞ヶ浦アサザ保護のために消波堤を作ったところです。消波堤が無いところは最近まで生きていたとみられるイシガイやシジミ類の貝殻があったことから、消波堤のために底質の還元化が進んだのが原因と考えています。
しかし霞ヶ浦でも、生きた二枚貝がかつてより激減しているのは事実です。そして諏訪湖でも同様な現象が起こっているのは偶然なのか共通の原因があるのか、考えてみる価値はありそうです。