手賀沼巡検

今年度も自然環境学専攻では一切業務をさせてもらっていませんが、他専攻の講義や巡検のお手伝いはしています。
昨日は他専攻の先生が担当されている中国の大学のサマーキャンプの一環として、手賀沼巡検のお手伝いをしました。
是非にとお勧めしたのが、北千葉導水の見学。手賀沼や江戸川の水質浄化のために、約28.5kmも写真のような巨大な管2本で利根川から水を引いてきています。

利根川にある北千葉第一機場と見学した北千葉第二機場を結ぶ約15kmについては、近年になってカワヒバリガイの固着が懸念されたため、1ヶ月程度ポンプを止めて管の中を空にし、人力で清掃したことを説明いただきました。
カワヒバリガイは中国原産で、日本には淡水性のイガイ類はもともといなかったのでこんな事態は想定されてなかったと解説したら、「え?中国から来たんだ!」とか「こんなにテクノロジーが進んでいるのに、駆除作業は手作業なんですか?」とか、学生さん達は興味津々でした。
その次にハス群落をお見せして、ハス帯では夏季に酸欠が生じることや、抽水植物を駆逐するメカニズムを説明しました。大学から近いところにある太湖でもハスが繁茂しているためか、炎天下にもかかわらず熱心に聞いて頂き、質問も相次ぎました。ハス帯の堆積物は非常に還元的なので冬でもメタンが発生していて、時間の余裕があったら泡を集めて火をつけるなどもできる、面白い見学スポットです。
その後は我孫子市の鳥の博物館を見学。わずか30分、かつ、運転手さんとつくばまでどう行けがよいか相談していて手賀沼の水鳥相が導水前後で一変したこと(あんなにたくさんいたハシビロガモがほとんどいなくなった)を説明できなかったのですが、学生さん達は鳥グッズをおみやげに買い求めるなど、楽しんでいた様子でした。
手賀沼はそれほど大きくないので、一日あればホットな話題をいろいろお伝えできます。研究科の水環境に関心を持っている学生さん向けにも、今回のような巡検を企画できればいいなと思いました。