巨悪と闘った一公務員の物語

私が小中学生だった頃の日本は「公害列島」と言われていました。工業化による経済発展の一方で、海が汚れて漁業が廃れようが公害患者が出ようが、守るべきは企業の利益でした(本当はいまでもそうなのに、巧妙に隠されているだけではないかと思います)。
そんな時代に、一公務員でありながら日本で初めて、当時の通産省とも結託した公害企業の刑事責任を問う起訴を行った人がいました。田尻宗昭さんです。中学か高校の時に下記「四日市・死の海と闘う」を読んだことが、今の仕事の原点のひとつになっていると思います(もうひとつの原点は、同じく岩波新書で、原田正純先生の「水俣病」です)。
昨夜たまたま仕事の合間につけたテレビで、その田尻宗昭さんが取り上げられていました。
奇跡体験!アンビリバボー 「死の海を救え 〜人生の決断〜
とてもコンパクトに「四日市・死の海と闘う」の内容がまとまっています。日本はこういう時代を経て今があることを、環境研究を志す若手の方々には知っておいてほしいと思います。

四日市・死の海と闘う (岩波新書 青版)

四日市・死の海と闘う (岩波新書 青版)