20歳で始めた宍道湖研究は、今年で35年目となりました。
これまでの研究で、ヤマトシジミの漁獲量はどうすれば増えるかの目処はほぼつきました。あとは関係者がそれを実行すると決意するかどうかにかかっています。
ところで宍道湖はシジミだけではなく、「宍道湖七珍」といわれてきたように、さまざまな魚貝類が豊富にとれる湖でした。七珍とはスズキ、モロゲエビ(ヨシエビ)、ウナギ、アマサギ(ワカサギ)、シラウオ、コイ、シジミを指します。このうちスズキ、コイはそれほど減っていないのですが、ウナギ、モロゲエビ、アマサギ、シラウオは私が学位をとった1990年代初めと比べて激減しています。当時、学位取得のお祝いの席を漁師さん達が設けてくれて、宍道湖産ウナギ尽くしのお料理をいただきました。ウナギの洗いなんていただいたのは、後にも先にも、あの時だけです。
今年の目標は、七珍の中でも特にウナギ、エビ、ワカサギが減った原因を解明することです。これらは全国的にも減っているので、共通する要因があるかについても配慮しながら検討を進めたいと考えています。