東京大学自然環境学専攻におけるヒ素・水銀の管理

新領域創成科学研究科自然環境学専攻の某教員は、ヒ素・水銀といった毒性の強い試薬を使って研究をしていました。2013年4月、この教員が学生に命じてそれらの廃液を流しに捨てていたことが学生の訴えでわかりました。私はこれについてどれくらいの試薬を保管し、どれくらい捨てたのかきちんと調査するよう専攻教員に訴えたのですが、当時の専攻長が「調査はしない」と宣言、その代わりこの教員が復職する際には、私が指導することが教授達の合意として決まりました。
ところが2014年3月に、当時の専攻長と副専攻長は、この教員と私が共通で使っていた実験室以外の場所でこの教員に実験をさせることで復職を促すという提案をしてきました。これでは私が指導できません。それではヒ素・水銀についてきちんと調査すべきだったと反論したら、「何のことですか?」と言うのです。改めて私が1年前にこういうことがあったでしょう?と説明したら、私が出張で不在にしている隙に、証言した学生に聞き取りを行いました。その学生から「何事も無かったとの前提の聞き取りでした」との連絡があったので、これは危ないと思い、改めてヒ素・水銀を誰が管理しているのかを大学の安全担当者に調べてもらいました。その結果、ヒ素・水銀は専攻の誰も持っていないことになっていました。
ヒ素・水銀は殺人にも使えますから、購入したら登録して、残量がいくらか定期的に報告する義務があります。つまり某教員は、その義務も怠っていた疑いがでてきました。かつ、ヒ素・水銀をどこで保管しているのかも分からないのです。私は環境安全委員だったので、このことを当時の研究科長に通報しました。
以来、専攻は私の行為を「誹謗・中傷」として私に講義をさせず、私が指導していた学生のテーマを強制変更させたり、全く専門外の教員を指導教員にして実質指導はしないなど、教員として目を覆いたくなるようなことを2年間も平然とやってきました。
ヒ素・水銀は誰が購入し、誰が管理していたのか。これについて通報した私には研究科からも未だに情報をいただけていません。東大は専攻の自治を重んじるところなので、専攻を差し置いて伝えることができないのかもしれません。
2015年5月20日記事に書いたように、この事件後に私の毛髪水銀が急に高くなりました。以来私は、インスタントコーヒーは瓶ではなく1杯づつのスティックに変え、どこかに小さな穴がないか(毒物を混入されてないか)確認しては飲むという注意を払っています。こんなことをずっとしなければならないストレスは相当なものです。
毒物劇物に対する管理についてこのような対応をする専攻に、自然環境を守る人材を教育できるはずがありません。来週入試があるようですが、進学を検討している方は、このような事実が覆い隠されている専攻であることを考慮されるとよいかと思います。