陸水研では2人の学生が、アメリカザリガニとその補食者としてのライギョを研究してきました。
最初の学生はアメリカザリガニが高密度に生息するため池で安定同位体比を使って補食者を調べ、このため池ではライギョがアメリカザリガニの補食者であることを突き止めました。
次の学生はカメをいれた池とライギョをいれた池、何もしない池を設置し、ライギョをいれた池では沈水植物が捕食されにくかったことを示しました。しかしライギョは外来種扱いなので、ライギョによるアメリカザリガニ駆除は難しいかもしれないということもあり、翌年、この学生さんは別のテーマに変えました。
以来、ライギョがいつから日本にいるのかは私にとって大きな課題だでした。今日たまたま、「江戸博物学集成」(平凡社)を見ていて、高木春山(〜1852)の「本草図説」巻1にライギョが描かれているとの記載を見つけました。外来種は明治以降に日本に侵入した種を指しますから、ライギョはその意味からは外来種ではないことになります。
次に学生さんが来ることがあれば、魚好きなら心おきなく、ライギョを勧められそうです。