出雲うなぎを増やそう!

私の出身地である大阪には出雲屋というウナギ屋が多く、その理由は下記のように説明されています。
資料1:「上方では業態を屋号で表してきた」とあり、「鰻の蒲焼き屋は「出雲屋」で、1948年ごろ大阪旧市内だけで3百余軒あった」との記述あり。
資料2:「西のウナギの調理技法は、この出雲ウナギ(宍道湖・中海の天然ウナギ)から伝えられたものといわれる」とある。
http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000080873

実際、宍道湖は少なくとも1990年まではウナギがもっと取れていました。その年、私の学位論文完成祝いと、シジミ組合長さんが中心になって宴会を催してくださり、宍道湖産天然うなぎ料理が各種並びました。うなぎの洗いを食べたのは後にも先にもあのときだけです。

そのウナギが近年、ほとんど捕れなくなりました。同様に捕れなくなっていたシジミは塩分が原因であることがほぼ確定し、その後も最適ではないものの最悪でもない塩分が続いて、めでたくシジミ漁獲量日本一に復帰しました。でもシジミだけに頼っていては危険なので、次に復活させるのは出雲ウナギとしました。

昨日は所属するNPOが手始めに行った聞き取り調査の報告会でした。会場は予想の3倍以上の参加者で埋まり、マスコミもシジミ関係の講演会よりも多く来られました。日本人のウナギに対する思いの強さを感じます。会の様子は下記NHKのホームページでご覧になれます。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/4035689641.html

ただし数日でリンク切れになると思いますので、その場合は下記をご覧ください。
2016年2月26日NHK松江しまねっと845.pdf 直

宍道湖・中海でウナギが減った原因のひとつは、ウナギと餌である甲殻類の生息場所が減少した為と考えています。しかし全国的にシラスウナギが減っていることも事実で、これと生息場所の減少のどちらがより効いているかの見極めが、難しいところです。