熊本の地震に改めて思う、地学リスク教育の必要性

熊本の地震に、3.11のつくばで経験した震度6を思い起こしていました。
2011年3月13日記事に書いたように、自宅1階ではタンスや食器棚は震災対策をしていたので倒れず、皿数枚が割れたのみ。2階は本棚から本が落ちていましたが、本棚自体は倒れませんでした。
なぜ震度6でも皿数枚が割れた程度で済んだかは、食器棚の耐震対策だけではありません。家を建てる時に地質図にある柱状図から強度を読み取り、地盤が弱いので基礎は布基礎ではなくベタ基礎にしてもらいました。また米軍写真などから、かつての土地利用も確認しておきました(3月20日記事「地震の備え」に地学リスク軽減のため何をしたかをまとめておきました)。

私は元地質調査所の所員ではありますが、専門は水環境です。ただしちょっと変わった高校に行っていて、地学が必修なだけでなく、1年の時は全員クリノメーターとハンマーを持って地質調査をしました。さらに地学の先生が防災という観点から地学を教えることを当時から心がけてくださっていたことで、地学リスクの軽減を日頃から注意を払う習慣が身についたのだと思います。

折しも先週、地学リスクの軽減の為のリスク教育を「R!SE(ライズ)イニシアチブ」を通じて広めようと最初の会合を開いたばかりでした。この取り組みは日本では絶対に必要で、むしろこれまで行われて来なかったことがおかしいのだと、つくづく思いました。