農薬と洗剤は地球を実験施設化する

1965年2月発行のScientific Americanに下記が記されていたそうです。
「米国科学振興協会の人間福祉向上のための科学委員会は『科学の公正性』と題した報告書をまとめ、特に科学の実験や技術革新の事前の影響評価の失敗を批判している。そうした観点に立って、農薬と洗剤が、環境に与える影響が試験されないまま広範に使用されていることに言及している。(中略)。『科学はかつてなく強大な、世界規模の力を持つに至った』と委員会は記している。『地球全体が科学の実験施設と化している』」(日経サイエンス2015年2月号)。
沈黙の春」が出版されたのが1962年、その3年後にはこのような見解が示されていたことに驚きました。50年経った今日、この懸念はもはや取り返しがつかないレベルに至っているのではないかと思われますが、特に日本は水田に大量の除草剤などを集中的に投与する点や、次々と新手の家庭用洗剤類が商品化する点から、実験場として世界でも最たる場になっているのではないかと思われます。