「明日の神話」が心配

熊本の震災で大きな損傷を受けた熊本城を見るにつけ、もし首都直下型地震が起こったら渋谷駅にある「明日の神話」は大丈夫だろうかと心配になります。

オバマ大統領の広島訪問が決まったようですが、日本は広島・長崎以外にもアメリカによる被爆者を出しています。1954年、第五福竜丸の船員が水爆実験により被爆したのです。「明日の神話」はこの事件を描いたとされています。

メキシコで長らく行方不明になっていた「明日の神話」は現在では渋谷駅に設置されています。渋谷近くで用事があるときには、遠回りしてでも見に行く絵です。「ゲルニカ」も見ましたし、ルーブル美術館の絵なども見てきましたけど、私にとってこの絵ほど言葉を超えたメッセージを送り続けてくれる絵はありません。

この絵に関して太郎は下記を残しています(「川崎市岡本太郎美術館所蔵作品集 TARO」35頁)。

キノコ雲も見なかったし、
火傷もしなかった、
そして現在、生活をたくましく打ち出し、
新しい日本の現実を作り上げる情熱と力をもった日本人、
その生きる意志の中にこそ、
あの瞬間が爆発しつづけなければ
ならないのだ