女性が大学でワーク・ライフ・バランスを保つのは困難 〜東京大学自然環境学専攻での経験から

産総研のネット掲示版に「第9回ワーク・ライフ・バランスセミナー『認知症に関する知識とその対応』のご案内」が掲載されていました。平成19年以来開催してきた「介護に関する勉強会」等を発展させ、ワーク・ライフ・バランスセミナーを開催しているそうです。
介護に関するセミナーを行うことからも分かるように、産総研は女性にとって本当に働きやすい職場だと思います。例えば産総研構内にある保育園では、子供が病気になって普段通っている保育園に預かってもらえない時に緊急に預かってくれたり、奥様が病気になったご家庭のお子様を預かってくれます。東大でこういった機能を果たしているのは、唯一医学部保育園だけと聞いています。
また東大では、公的な会議は原則として17時以降は行わないとしているのに、所属している自然環境学専攻(私以外の教授は皆男性)では全く配慮せず、18時以降からの会議なんてザラでした。産総研では17時以降の会議(懇親会を除く)なんて、全く経験しませんでした。さらには自然環境学専攻では土日の試験監督について「土日はヘルパーが確保できないので、できません。」と平日を希望したら、「調査には土日でも行くくせに、試験監督はなぜできない?」などと、もはやパワハラとしか言えないレベルのプライバシーまで、専攻長から執拗に追求されました。「平日」17時以降の会議さえ原則行わないと宣言されているのに、です。東大だけかもしれませんが、大学では全体で決めたことを個別の部局が無視してよいようです。
ですので大学の場合、働きやすそうな謳い文句が本当に自分が志望する専攻で守られているかは、保証の限りではないと思うべきです。
その点産総研ワークライフバランスに関わることだけでなく、採用にしても昇格にしても、透明性の高いルールに基づいて行われるので、女性故の不利益は大学よりはるかに少ないと感じています。産総研にいたときには女性だから不利益と感じたことは皆無でしたが、東京大学自然環境学専攻に所属して初めて、なるほど、これがセクハラかと理解しました。
教員でさえそう感じるのですから、学生さんはなおさらかもしれませんね。志望専攻を検討するときには、そういった裏情報(=過去にその専攻で教員による女子学生に対するセクハラ事件が発生していないか)も調べるべきでしょう。
自然環境学専攻についてでしたら、私に連絡してくださったら個別に情報提供いたします(複数ありました)。