大型研究計画「集中豪雨に伴う生態系の撹乱とレジームシフト」

九州地方は記録的豪雨に見舞われていますが、IPCCの予測では、日本では今後、豪雨と干ばつの強度は増加する傾向にあるとされています。
5月24日に地球惑星連合大会では、陸水学会からの大型研究計画「集中豪雨に伴う生態系の撹乱とレジームシフト」を紹介しました。発表したセッションは「U-06 大型研究計画−マスタープラン2017とその先を見据えて」で、全部で13の大型研究計画が紹介されました。提案の概要は下記のリンクから見ることができます。
前半7計画
https://confit.atlas.jp/guide/event/jpgu2016/session/U06_24PM1/class
後半6計画
https://confit.atlas.jp/guide/event/jpgu2016/session/U06_24PM2/class

みな高額の大型機器を購入・製造したらこういったことができますという感じの発表で、機器購入でない提案は陸水学会の提案と、「Future Earth -持続可能な地球社会をめざして」という提案だけでした。このFuture Earthに対しては「何をしたいのか分からない」とコメントされていましたが、「機器があればこれができます」という比較的単純な説明で済むのと同列で考えるのはどうかと思いました。私達の発表についても「監視カメラ網を作ればよいことでは?」と言われました。物を買うこと=大型研究、との考え方がこのセッションの関係者では主流のようでした。また、他の提案はなぜか期間・金額が10年・180億円ばかりで、5年・50億円という陸水学会の提案は異色でした。
というわけで、陸水学会が考える重要な大型研究と、地球惑星連合の主流派が考える大型研究とはちょっとズレがあるようでしたが、発表後これまでに、マスコミから2件(全国ネットの報道番組と大手新聞社)、問い合わせがありました。「これは確かに重要だ。」と判断いただいたからだと思います。他の大型研究にはマスコミから問い合わせがあったのか、知りたいところです。
なお陸水学会の発表内容は、下記の学会ホームページリンクからダウンロードできます。
http://www.jslim.jp/wp-content/uploads/2016/02/0a023cb1ed1564e7a959aa5cb59d9a93.pdf