データは紙で残すこと

卒業論文として1982年夏に宍道湖248地点で採泥して調べたベントス、特にオオユスリカの分布が今とどれくらい違うか調べようと思って、元データの家捜しをしました。自宅は散らかり放題の私ですがデータ管理は及第だったようで、1985年に専門家に種まで同定していただいた結果のリストがすぐに出てきました。
同じデータは多変量解析するために電子データにもしていたのですが、何分当時は248地点×20項目以上の多変量解析はパソコンではできず、磁気テープにいれて大型計算機センターに持参して解析していて、磁気テープはさすがに残っていません。解析結果の表だけは一辺20cmくらいあったフロッピーディスクと呼ばれていたぺらぺらの媒体にいれていましたが、これも今は残っていません。紙にしてフォルダーに整理していて正解でした。
この夏は、就職して初めて担当したプロジェクトの一環として調べた20年前の宍道湖と中海の表層堆積物についても、現在と比較しようと考えています。これらの元データはフォルダーに打ち出しが無くて一瞬青ざめたのですが、捨てないで取ってあるOS9を搭載した当時のマッキントッシュにエクセルで残っていたので、何とか採泥点の緯度経度データを回収できました(分析値自体は論文になっているので不要でした)。
若手のみなさんの今のデータも、みなさんが50代を過ぎる頃には、20年前、30年前を物語る貴重なデータになります。分析値だけでなく位置情報も整理して、電子媒体と紙媒体の双方で残すことをお勧めします。