哺乳類学会自由集会「出産・育児と研究の両立をめざして」

9月20日記事でご紹介した表記集会に参加しました。
理系講演者4名のうち、お一人はご主人と生後3ヶ月の第3子とともに登壇されてました。お二人とも研究者です。それでも3人のお子様を育てて研究も両立できるというメッセージは、後輩にとって、とても勇気づけられるだろうと思いました。
上記の方も含め、講演者のうち2名はご主人も同じ分野の研究者で、共著を書いたり、的確なアドバイスができるなど、メリットが多いようでした。
また2名は私立大学にお勤めですが、「私大教員はフィールドワーカーの墓場か?」と題したスライドを出したくなるお気持ちがよく分かりました。因みに私は国立大学勤務ですが、産総研に務めていた頃と比べると、はるかにフィールドワークに行きにくいです。「大学はフィールドワーカーの墓場だ」とした方が正確ではないかと思います。
残りのお二人は任期付で、生活の不安を抱えた状態です。特にご夫婦が研究者だと、同居できるところにお二人とも任期なしで採用される確率は高くはありません。
「給料1.5人分とかで良いから、夫婦で雇用してもらえる制度を設計してほしい」という声に、今の教授クラスの方々が真摯に対応していただきたいと思います。
私のコメントは時間がかなり制約されてしまったので、「女性が研究を続ける選択肢として、大学よりも、つくばの旧国立研究所の方がはるかに働きやすい」だけを紹介しました。閉会後、旧国立研究所で任期付研究員をされている方と話していて、「修士卒でパーマネントで入った人が学位を取るよう便宜を図ってもらっている一方で、学位を取って入った私は任期付。つまり研究を続けたい場合、博士課程に進まない方が定職につきやすい例もあるわけで、こういった情報が学生には伝わらない。」と言われてました。こういった情報も含めて、つくばの旧国立研究所の魅力をどうすれば学部や修士の女性研究者の卵達に伝えられるか、考えていきたいと思います。