売れ行き好調の認知症保険はお得か?

2015年12月19日記事で、介護費用は際限なくかかることを解説しました。
介護保険など実はほとんど焼け石に水である実態が知られてきたのか、医療関係のニュース配信メールで、本日の朝日新聞記事として下記が紹介されていました。
太陽生命が3月に売り出した「ひまわり認知症治療保険」では、加入後に認知症と診断され、同社の定める状態が180日続いた場合、300万円の給付金が支払われるそうです。60歳で払込期間が終身だと男性は5112円、女性は8167円。認知症になると認知機能が下がるため、専門知識のある社員が契約者宅に出向き、給付金請求のサポートをするサービスも備えたとのこと。発売から7カ月で加入者数は10万件を超え、過去の新商品にはない速いペースなんだそうです。
仮に男性が60歳から払い込んで80歳で発症したら、払い込んだ額は5112×12×20=1226880円で、これに対して300万円が給付されるわけですから、お得と言えそうです(女性だと同様の条件で1960080円の振り込み)。
朝日生命が4月に発売した「あんしん介護 認知症保険」は保険金の受け取り方を一時金か終身年金かで選べるのが特徴。終身払いで一時金300万円なら、月々の保険料は男性60歳で3465円、女性60歳で4077円。一時金300万円は上記太陽生命と同じですから、こちらの方が月々の積立額に対する給付額の割合ではお得に見えます。一方、終身の年金タイプ(年金額60万円)は男性60歳6342円、女性60歳で10560円だそうです。上記同様に60歳から振り込んで80歳で発症し、90歳まで生きたとしたら、振り込んだ額は6342×12×20=1522080円。これに対して10年間で受け取る年金は600万円なので、これもお得と言えそうです。同社の保険には8月末までに合計約2万件の契約があったそうです。
自分の介護をする子供達に迷惑をかけないようにという先の話ではなく、今40代の方々はあと5年か10年で親が認知症になって介護が始まる可能性大ですから、今から親に備えてもらうか、自分で払えるようこういった保険を利用することも視野にいれるのがよいと思います。