WILL POWER 意志力の科学

「頑張れ、根性出せ!」みたいな精神論的浪花節が大嫌い、でも意志力は鍛えたいという方には、とても説得力があり実効性がある本です。実験や観察例に基づいて説明されているのも嬉しいところ(裏を取るのは大変ですが)。
例えば犯罪者の仮釈放を認める審議について、午前に審議を受けた受刑者は70%認められるのに、午後遅くだと10%未満。これは「決定疲れ」を反映していることを示す例です。また、昼食前の12時半だと仮釈放が認められる確率は10%に対し、昼食直後だと60%だそうです。これはグルコースによって意志力が増強された例です。
陸水研のゼミは1時間以内で終わろう!が目標だったのですが、難しい英語論文の全訳をやっていたとき、永遠に終わらないんじゃないかとだれた空気に覆われたことがありました。そのとき学生の1人が「休憩してチョコレート食べない?」と皆に配ってくれました。途端にやる気がみなぎって、めでたく最後まで訳せました。今思えば、グルコース効果だったのでしょう。
「重要な決定はよく睡眠を取った午前早くに行う。どうしても夜に判断しなければならないときは、甘い物を食べてから。」を心がけるだけで、面倒なことに巻き込まれる確率が随分減るのではないかと思います。

WILLPOWER 意志力の科学

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