みんな納得、霞ヶ浦でのアサザ植栽は生態系の破壊

SchefferのAlternative stable state theoryを最初に出しての私のプレゼン、アメリカの陸水学者にも「なるほど。浅い湖沼と言っても、大きいか小さいかで全然違うね。」と言ってもらえました。
後になってScheffer自身も大きい湖沼と小さい湖沼は違うとの論文を出し、それをモデルで示した他の研究者の研究(小さいと風が弱いので、富栄養化すると沈水植物が浮葉植物になるという、私が言っていた通りのことが主張された論文)も今年出ています。が、私が発表したセッションでは大きくて深い湖沼を研究している方が多く、「浅い湖沼」を対象にしたSchefferの理論が浅い湖沼で迷走していることを知らなかったようです。
発表直後の質問が「そんな自然再生を誘導したのは、一部の悪徳科学者と政治家ではないか」だったので、用意していたスライドを見せ、「この論文の共著者は元生態学会会長です。生態学会の主流派は、未だにこの事業が成功だったと主張しているのです。」と伝えました。そして「そもそも『霞ヶ浦ではアサザが生態系保全のFlagship種である』などという、科学的根拠ゼロの論文を掲載したのはBiological Conservation誌ということからも、日本に限らず、生物だけを見る生態学者は、我々陸水学者のような総合的な観点を持っていない傾向があると思います。ですから我々陸水学者は、湖沼の保全に関して積極的に発言すべきです。」と個別に質問されてきた方にコメントしました。
発表スライドは下記です。
ASLO2017Yamamuro.pdf 直