諏訪湖の環境をどう改善するか?

昨年度は「諏訪湖の環境改善に係る専門家による検討の場」委員を務め、諏訪湖の環境改善について考えていました。諏訪湖で起こっている問題は日本の他の淡水湖沼でも起こっている、あるいは起こりえる問題なので、いろいろ参考になりました。
会議の最終回(平成29年3月30日)の議事録の30ページの私の発言に、日本の多くの湖沼がこれから直面するかもしれないと考えている内容があります。
ひとつは沈水植物です。沈水植物が復活すれば湖沼環境は改善されると考えている生態学者は多いと思います。しかし復活したと思った種が実は雑種で、排他的に繁茂してしまうという現象が、実際に宍道湖で起こっています。
次が外来性のシジミをどう考えるかです。外来種が広がると在来種が復活できないとして排除するのか、現状では在来種が生息できない以上、外来種による生態系サービス(植物プランクトンの除去など)を期待するのか。
私としては、タニシやヒガンバナなど、移入された当初は外来種であっても、いつか日本の風景・生態系に一体化された生物もあることを鑑み、弊害に配慮しつつ外来性シジミが自然に定着する水域については、特に駆除しなくてもよいのではと考えています。