パックテストが劇物指定?

富栄養化の度合いを示すCODアンモニアなどの水質が子供でも簡単に測れるキットとして、総合学習などにも使われるパックテスト。ポリエチレンチューブの中に調合された試薬が1回分ずつ封入されていて、チューブ先端のラインを引き抜き、スポイトと同じように水を吸い込み、指定時間後に標準色と比べることで、おおよその濃度を測ることができます。
そのパックテストが、現在パブコメ募集中の「毒物及び劇物指定令の一部を改正する政令(案)」施行されると、劇物扱いになってしまうと某MLで情報提供がありました。CAS番号1310-66-3 水酸化リチウム一水和物が劇物候補に挙がっていて、パックテストのCODアンモニアにはこれが含まれています。
劇物指定になると小学校での保管などもできなくなると思われますので、指定を外してもらうか(根拠が必要)、製造会社が別の物質での製品開発を行うかを期待したいところです。
(追伸)
パックテスト製造メーカーの方による解説をいただきましたので、ご紹介します。末尾にありますように、パックテストは開発途上国など、水中の化学物質の分析に使う装置が購入困難な地域で重要なツールになっています。私自身、フィリピンやロシアの共同研究者に使ってもらい、大変喜ばれています。劇物指定になったらど〜しよう、と思います。
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今回、劇物指定の対象に挙がっている物質のうち、「水酸化リチウム一水和物」はパックテストCOD類、アンモニウム類 にて、強アルカリ性緩衝剤として欠かせない物質です。労働安全衛生法の改正により、0.1%以上の含有は表示義務となり、市民向けが特定される製品以外は、2016年以降、SDS、GHSラベル等でも明示しています。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等は吸湿性が強く、パックテストでは充填困難で劣化もしやすくなり、強アルカリ性緩衝剤としては不適です。
パックテストCOD類、アンモニウム類が劇物となりますと、「劇物」としての流通形態となり、水質を管理する企業の方々、環境調査を行う市民の方々、また製品を販売いただいている商社の皆様、運んでいいただいている運送業等の皆様も劇物としての扱いを義務づけられ、その影響は甚大です。