NHK「チコちゃんに叱られる」という番組で驚きの解説を聞いてしまいました。
「葉が緑なのはなぜ?」「青と赤が好きだから」
それだけでやめとけばよかったのに、専門家とされる方が詳しい説明として、「すべての光を吸収すると葉は黒に見えるはずだが、そうなると温度が上がりすぎて細胞が壊れるので、青と赤だけ使う事にした。なぜ緑色の光を使わないことにしたのか理由は分からないが、昔は赤や青の葉の植物もいたのかもしれない。」と話していました。
http://tmbi-joho.com/2018/06/02/chikochan-reg08/#i-7
そんな馬鹿な!
今でも海には紅藻という、光合成を行う部分が赤色の大型植物はいます。黒ではありませんが、褐藻という茶色い植物もいます。けれども陸上植物の祖先となったシャジクモ類の時点で、大型植物はクロロフィルaとクロロフィルbを主に使うようになり、これらは緑色光を光合成に使わないので、草体が緑色になったのです。従って、太古の昔の陸上植物だって、光合成を行う器官としての葉が青色や赤色だった可能性はゼロのはずです。
どうしてNHKがこんな説明を真に受けてしまったのでしょう。そして全国放映してしまった明かな誤りを、どうやって訂正するのでしょう。
説明するのであれば、「植物も始めは海で生まれ、海の中は場所によって使える光の波長が違うので、植物は様々な色だった。しかし淡水に進出し、そして陸上に進出する過程で、緑色の光を使わないタイプだけが残った。」になるはずで、「全ての光を使うと熱くなりすぎて細胞が破壊されるから、緑の光を使わなくなった。」という説明はナンセンスです。