宍道湖集水域で殺虫剤使用量を減らす方法の参考に、ドローン・ジャパンの社長様とお話する機会がありました。5月18日記事で紹介したように、島根県は2008年に有機農業推進計画を策定したのですが、書かれているのは除草剤だけ。実際、私の知人が宍道湖水の殺虫剤濃度を測ったところ、しっかり検出されました(どれくらいの濃度か、他水域と比べて多いのかなどは、9月に松江で開催される水環境学会で公表される予定です)。
ドローン・ジャパンでは同社のハイテク技術を使って、農薬や化学肥料に極力頼らない農家を支援する「ドローン米プロジェクト」を展開しています。私のこれまでの研究でも、水田に農薬をまくことで日本の水界生態系が変質したことがわかっています。また長らく使用されてきた除草剤が塩素消毒でも分解せずに水道水に混入し、ガンの原因になっていたことが分かってようやく使用禁止になった例もあります。農地の多くは主食が占めますが、先進国の中で日本だけが米食です。小麦畑と異なり、水田にまかれた農薬は川や湖を直接汚染し、飲用水にも混入するのです。水田での農薬使用を早急に減らさないと、日本人と日本の水界生態系はあと50年も経たないうちに取り返しのつかない状況まで行ってしまうと私は思っています。
幸い、宍道湖は集水域が島根県だけです。島根県がその気になれば、県の水界生態系と県民の健康を守ることができます(利根川水系ではそうはいきません)。ドローン・ジャパンのような先進的な取り組みを参考に、島根だからこそできる減農薬を進めてもらいたいと思います。
下の写真は社長様からいただいたドローン米のレトルトパックです。私は小学生のときに水田にまかれた農薬により、あたり一面死んだ魚の腹で真っ白になったのを見た時からお米が食べれなくなったのですが、このお米は農薬が全くないそうなので食べれそうです。イラストが可愛いです。