来年度予算の確保

多くの研究者にとって、来年度予算を確保するための助成金申請は、9〜11月に集中します。うち科研費は9月に様式が公表され、東大の場合は締切が10月9日。9月9日から10月2日までロシア出張、かつネットさえつながらないバイカル湖調査に出ていたので、ノートPCに入っていた情報だけで大部分を書き、2日遅れで何とか2件提出できました。
それらは東大での研究費の確保分で、私は産総研の職員も兼ねているので、こちらの予算も確保するため11月締切の申請書も出します。幸い、11月から1年間200万円の助成金の採択通知が昨日届き、気分的にはかなり楽になりました。
それにしても、今の若手は本当に大変だとつくづく思います。私は32歳で5年間で総額1億円の予算を取って来て、自分よりはるかに業績をお持ちの大先生方に参画してもらい、宍道湖の環境に関わる総合研究を展開しました。今だと32歳で1億取ってくるのは、ほぼ不可能だそうです。そう話してくれたのは科研費の若手枠を持っている方ですが、若手と言っても今年で40歳になる助教です。私が40歳のときには、産総研の級号俸では文科省の教授クラスと同等でした。若手に責任と思い切った仕事を任せなくては、その次の世代はさらにスケールが小さくなると思います。かなり前から、日本は近いうちに衰退すると思って、子供達は海外でも生きていけることを最優先で育てましたが、勘が当たってしまったような気がしてなりません。