学会発表に見る農薬の脳への弊害

昨日の環境ホルモン学会では、「パーキンソン病の原因環境化学物質ー農薬の危険性」とのポスター発表がありました。要旨集の文章を要約します。
「1976年、偶然合成されたMPTPがサルにパーキンソン病を起こすことが分かり、類似構造をもつ農薬であるパラコート(除草剤)
原因物質であることが分かった。またパラコートと殺菌剤マンネブに同時に曝露すると発症リスクが高くなると報告された。EUではパラコート、ロテノン、マンネブの農薬登録が抹消され、フランスでは農薬を常用する農民にはパーキンソン病が労災対象となった。しかし日本では登録抹消されたのはロテノンだけで、パラコートとマンデブは使用され続けている。」
またポスターには下記が書かれていました。
「農薬の脳への毒性は、アセチルコリン神経伝達系を阻害する有機リン系ネオニコチノイド系、ナトリウムチャネルを阻害するピレスロイド系などのシグナル毒性を持ち、事変証、ADHDなど発達障害の原因物質となっている。脳以外にアレルギー/アトピーなど免疫系などにも異常を起こす。」
パーキンソン病アルツハイマー病?)の予防にも、農薬を使わない無農薬農業で作った、有機農産物を食べることが重要と思われる。日本のパーキンソン病専門医、アルツハイマー病専門医は、該当農薬類の複合汚染研究が不十分なためもあり、伝統的に疫学が日本の医学界で弱く、医学の王道である予防のための、本当の原因論には触れたがらない。」
専門医だけでなく、テレビ番組でも触れませんよね。「健康長寿は○○を食べていた」とのテレビ番組を見るたびに、「でもその食材が農薬まみれだったら、常時摂取してかえって健康寿命を短くするのに。。」といつも思います。
ちなみに、別のポスター発表(日本における環境ホルモン対策の問題点)で、EUで失効したのに日本では未だに使われている農薬の一部として下記が書かれていました。
カルバリル、ペルメトリンフェニトロチオン、プロシミドン、マンネブ、アラクロール、アトラジン、シマジン、アミトロール
娘が会社をやめて海外に行きたいと言い出したときにヨーロッパを勧めたのは、予防原則に基づいて農薬の使用を規制しているからです。日本は先進国の中でも唯一、米を主食にしていて、水道水にも平気で農薬が入ってくる国です。娘には、もう日本には帰ってこずにヨーロッパでずっと過ごしてほしいと思っています。子供が発達障害になったり病弱だったりしたときに、母親が最も苦労すると思うからです。