琵琶湖でアオコが発生するわけ

私は2012年頃から「窒素やリンが多少減っても、水草が生えるとアオコが発生しやすくなる」と主張していました。同じ頃から糸状藻類が生態系にダメージを与えると宍道湖・バイカル湖の実態から確信し、その防止策を検討してきました。しかし生態学者を中心に、水草が増えるとアオコは発生しにくくなるとの妄信は根強く、このブログでも何度も根拠を説明してきました(例えば下記)。
水草が繁茂すると窒素やリンが減ってもアオコが発生するわけ
湖沼における大型植物の異常繁茂に関する国内外の状況
3月13日に開催される日本藻類学会第43回大会公開シンポジウムの「企画の趣旨」の抜粋を見ると、ようやく私の主張を理解できたのかな?と思われる内容でした。下記はその一部を抜粋したものです。
理解してもらえたのなら嬉しいことですが、琵琶湖で水草が繁茂して20年以上にもなるのに、なぜ水草によってアオコが発生しにくくなると生態学者が主張し続けてきたのかは今もって謎です(生態学って現場の事実より空想の理論を重んじる学問なんでしょうか)。
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琵琶湖において,アオコは1983年に初めて発生が確認されて以来,優占種を交代しながら,1984年および2014年を除いてほぼ毎年発生が確認されている。アオコは一般に富栄養化が進むと頻発するようになる。しかしながら琵琶湖では,富栄養化対策によって湖水中の窒素やリンの濃度が低下してきたにもかかわらず,アオコは依然として発生し続けている。また近年では,新たに底生藍藻類の大量発生も問題になってきている。