小学校では、総合学習や自然観察をNPOに任せている例があるようです。よく検討されたものもあるとは思いますが、私の身近では、自然科学の素養が全くない人が「自然観察」と称して、先入観を持った見方に誘導していたりします(この子達の将来が心配です)。
自然観察は本来、時々刻々と変わる状態を見る目を養うものだと思いますので、できれば校庭で日常的に行うのがよいと思います。かといって、人工空間に「ビオトープ」を作って、本来の自然ではない疑似自然を観察させると、本来の自然との差が分からない子供達には、誤解を与えるだけです。
であれば、むしろ農業という人為的な営みを通じて、人がどのように自然と関わって来たかを経験させる中で観察させるのがよいと思います。
私が庭で作っている果物は、そういう観点からもよいものは何かを探す意図でいろいろ植えています。中でもこれはと思うのがイチゴです。これまで20年近く見てきましたが、葉が虫でやられたことは一度もありません。一方で実の方は当初はナメクジにやられました。それで砂利場に植えたところ、今度はアリにやられました。今年はなぜかアリは全く来ず、代わりにダンゴムシにやられます。
砂利なので土壌はほとんどないですが、しっかり根をはやしてくれています。どうせ土壌がないのだから肥料をやってもしみこまないだろうと、発酵性油かすを実が終わった季節に1株に一握りづつまくだけで、今日は畳1枚弱の砂利場から500gもとれました。日当たりさえあれば砂利でOKなので、どんな小学校でもどこかで作れると思います。野菜作りの本では毎年新しい苗を作るところから解説していますが、植えっぱなしで十分です。
野菜嫌いの子どもは多くても果物嫌いは少ないと思うので、子供達も興味を持ちやすいと思います。
(追伸)
最近の小学校の校庭ではあまり見かけなくなりましたが、昔は藤棚が結構ありました。藤もきれいで好きな花ですが、総合学習で果物をという観点からは、キーウイ棚にしてはどうかと思います。棚で育てる果物もブドウ、アケビと試してみましたが、植えて2年で下の写真のように可愛いキーウイが簡単になりました。実のまわりにまだ雄しべが残っているのが観察できます。アケビくらい手間いらずで、今のところ、虫にやられたことはありません。アケビよりは今の子供達に喜ばれそうです。