江戸時代の水源では洗濯さえできず、令和の水源には下水処理水が放たれる

江戸では水不足が深刻だったので、玉川上水を通して、四ッ谷まで水を引いていました。四ッ谷以降は暗渠で、開溝の部分では漁、草取り、洗濯など御法度でした(Wikipedia「玉川上水」より)。
昨日の実習では、環境棟の自分達が飲んでいる水道水の水質をパックテストで測ってもらいました。測定前に上記の話をしてから、柏キャンパスに供給される水は利根川下流部の支流である江戸川から供給されていて、そこに至るまでには、少なくとも群馬県の下水処理水が放流されていることを解説しました。放流水にはご丁寧なことに、塩素も混ぜられています。農薬やら様々な有機物が塩素化合物になるわけですが、何ができるか分からないから濃度さえ測ることができないことを説明しました。
その上で水道水質を測ってもらったところ、下流の水を使っているため、硝酸は5mg/Lもありました。なのにCOD(有機物)はほとんどなく、また蛇口では1mg/L以上なければならない塩素も、1mg/Lかそれ未満でした。
これが何を意味するか理解した学生達は、すごく真剣な表情になってました。世界(少なくとも先進国)では非常識なことが、日本では疑問に思われることなく続いていることに気づいたようです。アメリカやヨーロッパでは、水道水を塩素消毒して飲用にするなんて、馬鹿げたことはしていません。ヨーロッパの規制では、ミネラルウォーターは塩素消毒はおろか、一切消毒してはならないことになっています(どんな有害副生物ができるかわからないからだと思います)。
日本のこの状況は、私には古代ローマ帝国の鉛中毒を思い起こさせます。当時も危険と認識している人はいたようです。
無知ほどこわいものはない。。。