日本の湖での漁獲量の多くは二枚貝のシジミですが、シジミを除くとワカサギ、シラウオ、エビ、鯉・鮒などが主要種です。
下記はそのワカサギ、シラウオ、エビの漁獲量トップ5県で、茨城は「霞北」で採れていることが分かります(出典はH30年「霞ヶ浦北浦の水産」)。
「霞北」というのは霞ヶ浦(西浦)と北浦を合わせた、という意味です。
霞ヶ浦と北浦のどちらで多く採れているかは下記の通りです。
圧倒的に霞ヶ浦で採れています。
霞ヶ浦は90%が人工湖岸です。また沈水植物と呼ばれる、草体が全て水面下にある植物はほぼゼロです。
湖に関わる保全生態学者達は、人工湖岸になって魚が住まなくなったとか、沈水植物が復活すると産卵場や餌になる動物プランクトンが増えて魚が増えると主張しがちです。しかし、こと漁獲対象種となると、全く逆のようです。琵琶湖南湖や宍道湖は沈水植物が繁茂していますが、霞ヶ浦ほど漁獲対象魚やエビは採れません。
そもそも魚の量を調査するのは大変難しく、比較として使えるのは漁獲量程度です。その漁獲量でこれなのですから、人工湖岸はダメ、沈水植物は良いとの説も、どれほど根拠があって主張しているのか眉唾モノと言えるでしょう。
(追伸)
霞ヶ浦は外来性魚食魚も多くいます。それでもこれだけ魚が取れるのですから、外来性魚食魚によって漁獲が減ったとする説も見直す必要がありそうですね。