アートを楽しむ

私が最初に買ったアート作品は、ロシアの美術アカデミー作家の水彩画です。当時はソ連崩壊後の経済的混乱が続いていた頃で、名のある芸術家の作品が1万円もしないで買えました。空港で税関が「これは輸出できない」と不当な賄賂を要求するからと、ロシア語で「この絵は私からのプレゼント」と書いた手紙も添えてくれました。
日本では、理系のヒラ研究員の給料でそのレベルの作家さんの作品が買えるはずもなく、趣味の生け花に使う花瓶をお財布と相談しながら買ってきました。松江城の前にある島根県物産観光館では、陶芸、藤細工、紙細工など様々な工芸作家さんの作品を販売していて、時間があれば必ず花瓶を物色します。
花瓶といっても大きいのだと高価、かつ、メノウ原石に出費した後だったので一輪挿しを物色したところ、イメージどおりのがありました。一輪挿しの多くは差し口が小さく、小さい花をたくさん飾るのが難しいのですが、下の一輪挿しは比較的大きな差し口で、かつ下に向かって広がっているので、たくさん差しても安定しています。ありそうでなかなかないタイプです。

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金属細工で試験管を使う一輪挿しもありました。

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この作家さんの他の作品も見たくて、レジでチラシをいただきました。チラシにあったホームページで他の作品も確認し、「カエルのイメージの一輪挿し、作っていただけますか?」と問い合わせしたら、すぐにお返事いただけました。手作り作品販売アプリにもお店を出しておられて、新作ができたらそこに載せますとのことでした。
絵でもそういったアプリがあるのかは知りませんが、少なくとも工芸作品については、ネットやアプリで気軽にアートをゲットして楽しめる時代になっていて、ありがたいと思います。