ビオトープでアマガエルを育てよう

近所の田んぼから10尾強連れてきた赤ちゃんアマガエル、うち3尾が大きく育って、トウモロコシ畑で休んでいました。色が目立たないからでしょうか。

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ここまで生き延びたものの、まだまだ危ない行動をします。昨日の夕方、クリ(8歳の柴犬)の散歩に出るときにアマガエルが門扉近くを横断、危うくクリに噛みつかれそうになりました(動く物には反射的に飛びかかります)。
私がアマガエルに凝っているのは、小学校のビオトープで飼育してほしいからです。娘が小学校の頃、国語の教科書に「ビオトープを作りましょう」という文章がありました。植物を植えたら虫が来ます、それらは捕まえずに観察しましょうという内容でした。その小学校では毎日10回、教科書の文章を音読するのが宿題で、私は毎晩付き合わざるを得なかったのですが、こんな洗脳をするから日本の水辺の自然が破壊されるんだと憤慨していました。
ヨシにしても水草にしても、かつては野焼きしたり刈り取ったりして、枯れた草が腐ってヘドロ化するのを防いでいたから、多くの魚が住むことができました。草を植えて何も管理しなければ、水域は荒れ果てるだけです。今の日本人は生態学者でさえ、水草が勝手に生えてくることで魚の種類や量が増えると妄信しています。こういう学者に限って、人が一切手をいれない海外の平野部の湖沼では水草とそれを食べる鳥だけが目だって、ほとんど魚がいないことを知らないのです(まさに井の中の蛙!)。
で、アマガエルですが、メダカ同様、人が造り出した環境である水田が本来の生息場所と似ていたから生き延びてきました。メダカが絶滅危惧種になったように、アマガエルもいつのまにか絶滅危惧になる可能性はゼロではありません。
そこでビオトープの出番です。アマガエルが水を必要とするのは、産卵後からオタマジャクシがカエルになるまで、5~7月の短期間です。その間だけでもビオトープが水草ぼうぼうになって酸欠にならないよう、底土のいれかえ、適度な刈り取りを児童が行うようにすれば、動物には住むところ、餌をとるところ、繁殖するところが必要で、それらは水草を植えっぱなしにすることでは決して維持されないことを学べると思います。7月以降は夏休みで児童は登校しませんが、その頃にはアマガエルは完全に陸上生活に移行しています。
わが家の庭と火鉢水槽でアマガエルの繁殖まで成功したら、こんな教材を提案したいと考えています。