7万年の時計

福井県の水月湖は過去7万年間「年縞」が堆積しており、そのうち5万年分のデータが昨年7月の世界放射性炭素会議で放射性炭素年代測定の較正に採用されています(2014年2月25日記事)。
陸水学会で金沢に行った際、この水月湖の年縞を展示している「年縞博物館」に行きました。
開館して約1年の建物は、デザインも素敵です。

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年縞は全て展示されていました。これが最も古い7万年前の部分です。

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なぜ水月湖では7万年も堆積物がたまり続けても埋まらないのか。それは断層があるからです。案内の方に「どこに断層があるのですか?」と聞いたら、下の写真を見せて下さいました。右側の山の裾あたりに断層があり、山側は上昇、水月湖側は沈降するので、水月湖は埋まらないのです。

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水月湖に年縞があるのはずっと以前から分かっていましたから、断層活動が継続していることも分かっていたはずです。なのに関西電力が原発をこの地に作ったのか、全く理解できません(平気で賄賂を受け取る人達が幹部を務める会社ですから、まともな考えできないのかもしれませんね)。

(追伸)
博物館に接続している食堂もとてもオシャレでした。私が頼んだのは「年縞サンド」。ストローを抜くと、まるで柱状コアを抜いたような気分を味わえました。

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