江戸前シジミ

荒川産ヤマトシジミをゲットしました。大きいのでは殻長2cmくらいあります。宍道湖のと茶色の色合いが少し違っていて、とてもツヤがあります(白っぽいのは冷凍庫から出してついた霜です)。

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今年は資源保護のため数日で禁漁にしたそうで、都内の卸しさんには在庫がありませんでした。
「あそこなら持ってると思う。」と紹介されたのが、何と青森県の卸しさん。聞けば全国のシジミを扱っているそうです。
青森県は宍道湖のシジミ資源が減少したときに、シジミ漁獲量全国1位になった県です。塩分が低めの小川原湖から、ぎりぎりの高塩分の十三湖と産地が複数ある上に、十三湖のヤマトシジミにマリン・エコラベル・ジャパンの認証をつけたり、産業部門と連携して冷凍したらオルニチンが増えることを発見したりなど、広範に新しい取り組みにチャレンジしているのがスゴイと思っていました。その上、民間の卸しさんに行けば全国のシジミの状態が分かるなんて、今の島根県では太刀打ちできないと思いました。
1980年代に宍道湖淡水化が問題になり、「宍道湖が汽水湖として世界に知られたら不用意に淡水化できないだろう」と、学生だった当時からNature記者だった知人に記事を書いてもらったり、自身も国際誌に宍道湖ネタで次々投稿し続け、先日のサイエンス論文で「汽水だからネオニコの影響をもろに受けた宍道湖」というイメージが世界に定着して、40年前の目標は一応達成したのですが、「たとえ国の方針に反してでも、宍道湖の生態系を守り抜く」という地元の熱意は40年前の半分も無いようで、大変残念です。