島根県ではネオニコチノイド使用量がウナギのぼり

1月5日記事で宍道湖でオオユスリカが消えたという研究を紹介しましたが、それに関連して、島根県におけるネオニコチノイド系殺虫剤の出荷量を調べてみました。データは国立環境研究所が編集している農薬データベースからです。結果は下記の通りです。宍道湖では1993年からオオユスリカの大量羽化が見られなくなったのですが、その時に使用されたネオニコチノイドの30倍もの量が、現在使用されていました。

その島根県は平成20年3月25日付けで島根県有機農業推進計画を発表し、県をあげて環境保全型農業を推進していると「美味しんぼ」でとりあげられていると、当ブログで紹介しました。「こんな計画を立てながら、宍道湖から万が一高濃度の殺虫剤が検出されたら『この計画はザル!』ということになりかねません。」と書いたのですが、実は複数のネオニコチノイドが検出されました。濃度は相模川水系での既報より大部分低かったのですが、相模川水系の既報のように降雨直後で多地点で採水していないので、必ずしも低いとは言い切れません。
何より、有機農業推進計画を謳いながら他国で懸念されている殺虫剤使用量が増加し続け、おまけに県のどの機関も公式にその環境中濃度を測っていないというのは、いかがなものかと思います。きちんと測定して、低いなら低いと公表、高かったら減るように指導するのが、県がすべき仕事ではないでしょうか。