コロナウイルスで一斉休校しなかった島根県

新型コロナウイルス対策として全国一律に一斉休校を要請した国に対し、島根県教育委員会は「県内で感染者が確認されるまで」との条件付きで、県立高校と特別支援学校について休校しない方針を決定しました。
これが後押ししたのか、松江市と出雲市の小中学校は通常授業としました。「共稼ぎ世帯の保護者は、預ける人や場所がないという問題が切実」と学校現場や家庭に混乱が生じることから判断したそうです。

島根)判断分かれた自治体 新コロナ休校要請問題:朝日新聞デジタル

このように、地元の状況を国より知る知事の判断次第で、国の指導・要望に従わない施策も取れることは、農業でも同じです。いくら農水省や環境省が「国の基準どおりネオニコチノイドを使ったら、生態系に影響はありません。」と主張しても、現実に宍道湖でウナギやワカサギがネオニコチノイド使用直後に激減して回復していないのが実態です。

上記の拙著が出たあと、県農業・水産業関係者は「国の基準を守っているから問題ない」との見解を出しています。一方で島根県は平成20年に農薬不使用を目指す有機農業推進計画をとりまとめています。

島根県:有機農業(トップ / しごと・産業 / 農林業 / 生産振興 / 環境にやさしい農業の推進 / 有機農業の推進)

「努力不足で生態系に悪影響を出してしまった。」とコメントするならともかく、「国の基準を守っているから問題ない」発言は、県が出した有機農業計画は口約束だったと公言するようなものです。
日本は東アジアの国々(中国、韓国、ロシアなど)の中で唯一、コウノトリを絶滅させてしまった環境後進国です。そのコウノトリを復活することは私達が健やかに生きることにつながるとして、兵庫県ではコウノトリも住める農法をホームページで公開しています。「水産動植物(魚類、甲殻類、藻類)のうち魚類に影響を及ぼす、と記載されている農薬及びネオニコチノイド系薬剤は使用しない。」と明記しています。

兵庫県/「コウノトリ育む農法」とは

今回、国の要請に従わなかった島根県知事は、県の実情に沿った英断を下したと思います。島根県の豊かな自然と人々の健康を守るために、有機農業についても、やる気のない計画なら撤回する。ウソではなく本当に取り組む気なら、農水省や環境省に遠慮しないで進めてくださることを願います。