確証バイアス

某県の環境影響評価関係の委員会で、業者さんから問題になっている案件について、専門家からヒアリングしたとする内容が口頭で紹介されました。魚の生息に与える影響についてで、本当の専門家ならそういうことは言わないだろうと思われました。その委員会は議事録や資料が全て公開されるので、これは下手すると後日、ヒアリングされた先生の不名誉になるかもしれないと思いました。それで面識の無い方でしたが、直接問い合わせてみました。結果、業者さんが紹介した内容を、その先生は言ってなかったことが分かりました。

好意的に解釈すれば、業者さんは改竄したのではなく、「こうあってほしい。」と思う言葉を無意識のうちに拾った結果、委員会での回答内容になったのでしょう。特にその業者さんは魚類については専門家が社内にいないようなので、常識的なセンスが働かなかったのでしょう。

しかしこれは大変恐いことです。新聞取材でも時々、意図しない内容が記事になってしまうことがあります。しかし新聞記事であれば、自ら追跡することが可能です。コンサルさんのヒアリングの場合、それがどう使われたのか、その際に自身の名前が公表されるのかは、ほぼわからないことが多いのです。

こういったことは他にも起こり得るので、全国的に対策が浸透するまでは、コンサルのヒアリングは知人以外お断りしようと思いました。